iPhone好調、アップル最新決算は3割増収 市場予想676.9億ドルを超える746億ドルに
[27日 ロイター] - 米アップル<AAPL.O>が27日に発表した第1・四半期(10─12月期)決算は、市場予想を上回る増収増益となった。年末商戦におけるスマートフォン「iPhone(アイフォーン)6」と「6プラス」の販売が記録的水準に達したほか、中国での売上高が70%増加した。
純利益は180億ドルを突破。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のアナリスト、ハワード・シルバーブラット氏によると、公開企業の利益としては世界全体で史上最高の水準に当たるという。
第1・四半期のアイフォーン販売は7450万台。多くのアナリストは7000万台に届かないと予想していた。
売上高は746億ドルと前年同期の576億ドルから拡大、トムソン・ロイター・エスティメーツのアナリスト予想平均である676億9000万ドルを超えた。
手元現金は1780億ドルに達した。IBM<IBM.N>の買収でさえも可能な水準であり、米国民1人当たりに換算すると556ドルとなる。
クック最高経営責任者(CEO)は、腕時計型のウエアラブル端末「アップル・ウオッチ」について、4月に発売すると明らかにした。
同社の株価は時間外取引で約5%上昇した。
シノバス・トラスト・カンパニーのシニアポートフォリオマネジャー、ダニエル・モルガン氏は、IBMやマイクロソフト<MSFT.O>など大手ハイテク企業の業績がさえないなか、良いニュースとの見方を示した。
<中国売上高は70%増>
同社のマエストリ最高財務責任者(CFO)はロイターに対し、一部のアナリストらの予想に反して米国でのアイフォーン販売台数が中国を上回ったことを明らかにした。
ただ、中国での売上高は70%拡大。中国移動(チャイナ・モバイル)との提携やアイフォーン6と6プラスの大画面が追い風になったとみられる。
マエストリCFOは、中国の経済成長鈍化によってアップルが苦戦を強いられることは想定していないとし、中国におけるアップルの地位に「満足」していると語った。
また、シンガポールとブラジルでアイフォーンの販売台数が倍増したことを明らかにした。
CFOは、グレーターチャイナ(大中華圏)で展開する店舗数は2016年半ばまでに40店舗に達するとの見通しを明らかにした。
カンター・ワールドパネル・コムテックのアナリスト、キャロライナ・ミラネシ氏は、パソコン「Macintosh(マッキントッシュ)」やアイフォーン旧モデルの販売が好調だったことも評価。
アップルの中国での業績について、旧正月を含む今四半期は好調との見通しを示し、新たな経路で販売するアップルの試みを反映していると指摘した。
純利益は180億2000万ドル(希薄化後1株当たり3.06ドル)で、前年同期の130億7000万ドル(同2.07ドル)から増加。トムソン・ロイター・エスティメーツがまとめた市場予想の1株2.60ドルを上回った。
<ドル高「明らかな逆風」>
マエストリCFOは、ドル高という「明らかな逆風」に直面していると認めた。ただ、その影響は予想に既に反映させたとしている。
アップルは第2・四半期(1─3月期)の売上高を520億─550億ドルと予想した。市場の予想は平均で537億9000万ドル。
クックCEOは、決済サービス「アップル・ペイ」について、野球で言えば「1回」の段階にあるとの認識を示した。そのうえで、米国外でのサービス展開や、新機能の追加などを検討していくと述べた。
*内容を追加しました。
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