イスラエル、ネタニエフ首相がダメな理由

前倒し選挙の強行が中東諸国に意味すること

内部亀裂を経験したいくつかの穏健な正統派の党は、イスラエルを本当に成長させてくれる中道左派陣営と協力する意欲を見せている。極右政党「イスラエル我が家」の党首、リーバーマン外相さえも、首相と米国の対立を非難し、中道政府に参加することを否定しない。

政治の世界で3カ月は長い。ネタニヤフ首相も選挙戦では手ごわい相手となる。中道連合が勝利したとしても、国会において過半数を占める必要がある。120議席中30席に満たない場合、正統派の党から連立の相手を探すことになる。が、これは穏健な非宗教政党を支持する有権者から反発を招く可能性がある。

政権交代でも深刻な課題は残る

政権の座に就いたとしても、ヘルツォグ&リブニ連立政権は、パレスチナとの合意形成などの深刻な課題に直面するだろう。パレスチナを主導する政治が、ファタハ率いるパレスチナ自治政府(西岸地区を管理)と、ハマス(ガザ地区でイスラム原理主義政府を樹立)とで分裂していることを考えると、イスラエルとパレスチナ自治政府のアッバース議長との交渉は意味をなさないだろう。

それでも連立政権は、米欧との関係には大きな変化をもたらすはずだ。

ネタニヤフ首相は、パレスチナとの間に平和を実現するのは不可能との印象をイスラエル国民に与えてきた。だが、何百万人もの国民の意思に反した政治を続けたら、イスラエルがどんな国になるのかという問題に答えを出せなかった。西洋の多くの人々がイスラエルに反発し、その正当性にまで疑問を抱いた。もしシオニズムがパレスチナ人を完全に支配することを意味するのであれば、支持する価値など本当にあるのだろうか?

ヘルツォグ&リブニ両氏のタッグは、自らを暫定的に「シオニストキャンペーン」と名乗った。聞こえはよくないかもしれないが、真実を突いている。シオニズムは、他人に永久的に支配されるのではない、ユダヤ人自決の権利である。3月の選挙ではイスラエル人がこの点を理解してくれることを願う。

週刊東洋経済2015年1月31日号

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