時代の最先端を走った、「新幹線500系」の人気健在 乗るなら元グリーン「6号車指定席」がおすすめ

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一方、今回500系の近況を伝えてもらったJR西日本新幹線鉄道事業本部の広報担当者も、学生当時の思い出として「デビューしてまもない500系が東京駅に入線してきた時その姿が放つオーラに鳥肌が立ったことを鮮明に覚えています」と振り返り、それから十数年後、すでにベテランの域となった500系に運転士として乗務することになった時も「なおも老若男女を問わず先頭で記念撮影をする姿を見て魅力の健在ぶりを噛み締めた」と話す。

元来の普通車座席が並ぶ自由席車両。灯具や荷棚は往時と仕様が異なるが優しい色合いの座席や窓間の装飾は変わらず 500系らしい雰囲気を醸し続けている(写真:久保田 敦)

500系は稀にみる注目を集めて走り始め、W2編成以後の量産車が3本登場したことで、半年後の11月29日ダイヤ改正から東京まで3往復の東海道新幹線乗り入れが開始された。東京〜博多間は最速5時間4分から4時間49分となった。早朝の「のぞみ」ですら長距離客が目立って多く、当時、全車指定(自由席設定は2003年10月から)だった列車が完全に満員になり、飛び乗ってきた乗客の応対に気を遣ったとのエピソードも往時の車掌から聞いている。

ちなみにこの頃は男性ばかりだった鉄道の現場に、女性が登用され始めた時代である。先のデビュー列車ルポにはJR西日本では関空特急「はるか」からの異動で新幹線大阪西車掌所に初配置された4人の車掌が1人ずつ乗るシフトを組んだ様子などが記されている。今ではお母さん運転士も増え、女性乗務員を格別な存在とする時代ではなくなった。しかしながら、当時は会社としても積極的にアピールする存在であったし、500系はその舞台であった。

以来、25年の時間が流れた。16両の「のぞみ」編成が現在では8両の山陽新幹線「こだま」用V編成となっているが、それでも特殊なフォルムは主張し続け、今回、新大阪駅に立った日も、親子が先頭車まで見物にきていた。

日中に山陽新幹線を走り抜くこだま849号と850号

 2022年3月12日改正現在、500系の列車は新大阪ー博多間3往復、岡山ー博多間3往復、それに小倉ー博多間1往復で、本数にして計14本。朝晩は全般に列車が多いから必然的にその時間帯に集まりがちのなか、新大阪11時32分発の「こだま849号」と、博多12時02分発の「こだま850号」は日中帯に新大阪ー博多間を走り抜く希少な列車である。

今回はそのうち下りの849号を選んだ。博多から838号で上り、849号で折り返す1往復はサンリオとのコラボレーションで改装した「ハローキティ新幹線」で運行するが、乗車日はオリジナル編成での運行日であった。

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