【産業天気図・不動産業】マンションは苦戦だが、オフィスビルは収穫期

今の不動産業界には過熱感が漂う。ファンドなどの投資家に都心部の賃貸ビルや賃貸マンションを売っている会社は、想定以上の高値で売却を実現している。だがこれ以上の不動産価格上昇は期待しにくい。
 こうした状況はマンション分譲会社に悪い影響を与えている。用地仕入れが困難になっているからだ。マンション販売は今年も首都圏8万戸台が続くなど好調を持続しているが価格を引き上げるほどには至っていない。用地価格の上昇はマンション各社の利幅を圧迫する。三菱地所や東急不動産等は今期の発売戸数を計画より減らしている。
 ただ、オフィスビル賃貸の環境は改善が続いている。空室率は低下し、10月末の東京都心部の空室率は需給均衡の目安とされる5%台に。すでに新設ビルの賃料は上昇を始めており、これからは既存ビルの賃料が上昇に転じる。
 総じて言えば、オフィスビル賃貸を主力とする企業は、これからが収穫期。が、マンション業界は今後苦戦に突入。成長著しい不動産流動化業界も、利幅の低下を意識し始めなければならない時期に入りつつあるというところだ。『晴れ時々曇り』の空模様といえよう。
【福田淳記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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