次期戦闘機、日米→日英共同開発に転換する理由 日英共同開発にメリット、4つの理由
イギリスの次期戦闘機「テンペスト」は、無人機(UAV)群との連携計画を含む同国の「将来戦闘航空システム(FCAS)」(Future Combat Air System)の中核をなす。
その開発を担うチーム・テンペストは、イギリス空軍(RAF)の緊急能力局(RCO)のほか、BAEシステムズ(航空システム担当)、ロールス・ロイス(エンジン)、MBDA(ミサイル)、イタリアのレオナルド(センサーと通信ネットワーク)、イギリスのセキュアクラウド+(ICTシステム)で組織されている。
空自の次期戦闘機の開発をめぐっては、イタリア政府も参画に意欲を示しており、チーム・テンペストの一員であるレオナルドが加わる可能性がある。
岸田文雄首相は5月5日、訪問先の英国でジョンソン首相と会談し、年末までに将来の戦闘機プログラムに関する協力の全体像で合意すると確認した。
アメリカには根回し済み
一方、岸信夫防衛相は5月4日の日米防衛相会談で次期戦闘機をめぐる日英協力について説明して理解を求めた。これに対し、オースティン国防長官は歓迎の意を示したという。
日米は日本の次期戦闘機のアメリカ空軍との相互運用性を確保するため、アメリカ装備品とのデータリンクなどについて、共同で検討を行う予定だ。また、次期戦闘機との連携も想定される無人機の開発について、日米両国の協力の可能性を探っていくことでも一致している。とはいえ、インテグレーション支援の候補企業に選ばれていたロッキード・マーティンは限定的な協力となる見通しだ。
なお、BAEシステムズは1月28日、日本に子会社を設立した。BAEシステムズの日本代表兼日本地区担当支配人のトーマス・ライク氏は、「新会社は、日本のパートナーと協力して高度な能力と新技術を開発するうえで、重要な役割を果たすことになると期待している」とのコメントを出した。BAEシステムズが次期戦闘機開発を通じて、防衛省との協力関係を一層強化していくのは間違いなさそうだ。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら