あなたは、それでもユニクロを買ってしまう 店頭についつい誘導される絶妙な仕掛け

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決定事項だけを羅列したようなものではなく、その決定にいたるまでの会話の文言もリアルに再現されたものです。必ず実行する結論を出し、毎週その確認が行われるということが大きな特徴です。

具体的に話されているのは、前週の全ブランド、全商品、全カラー・サイズごとの予算と売り上げ実績の確認。それにともなって練られた今後の売り上げ対策、チラシ広告の掲載内容の確認・変更のほか、人事労務管理、国内外の新店舗のオープン状況、お客からのクレームやお褒めの声のまとめなど、商売に関わることのすべてが検討され答えが出されています。

「トップからの一言」を明確に発信

その中でも特に時間をかけて議論されるのが「商売についての検討」のようです。前週の予算と売り上げ実績の確認をして、当初の計画値とかい離しているものは、とにかく近づけるために店頭をどうすべきかの検討をします。柳井会長兼社長は店舗、商品、広告には必ず目を通します。「トップからの一言」というかたちで明確な指示が発信されることになります。

今の季節で言えば

「残っている冬物をどのように棚で展開して売っていくか?」

「春物をマネキン人形に着用させてアピールしていこう」

「冬物を売るために春物をコーディネートしてはどうか?」

などが検討されているようです。売れて足りなくなった商品への生産調整の指示もあれば、逆に売れなくて在庫過多になりそうな商品には大幅値引きの指示も飛ぶようです。

今週も新聞の折り込みに入るユニクロのチラシ広告。この週末、気付かぬうちに店舗に誘導され、つい買ってしまうきっかけづくりを狙った戦略です。

大ナギ 勝 ムービングオフィス代表

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おおなぎ まさる / Onagi Masaru

(株)ムービングオフィス代表取締役、一般財団法人ニッセンケン品質評価センター アドバイザー。杉野服飾大学非常勤講師。青山学院大学法学部卒業後、高級婦人服ブランドを日本一売る(株)レリアンに入社。営業部、企画部、バイヤー兼MDを経て、宣伝部へ。女優・天海祐希さんを起用した、同社では30年ぶりのTVCMでは制作担当責任者として、企業ブランドを新たに確立。その後、システム情報部の責任者も務める。2013年独立。著書として「商品よりも『あと味』を先に売りなさい」(日本実業之出版社)がある。http://www.movingoffice.jp/

 

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