大京の大胆戦略、「ライオンズ依存」から脱却 マンション開発業者が高齢者施設にも食指

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社員寮を改装して竣工したサ高住「かがやきの季・中野南台」(大京提供)

不動産デベロッパーの大手、大京が“異例”ともいえる改革を進めている。かつては「ライオンズ」ブランドのマンションを看板に、拡大路線をひた走った。しかし、いまや「規模」から「質」重視へと経営路線を変更し、新施策を矢継ぎ早に打ち出している。

1月13日には、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)事業に参入することを表明。その第1号となる賃貸マンションを東京・中野区で開業する。マンション分譲は景気変動の波を受けやすいため、賃貸の高齢者住宅事業を本格化することにより、収益源の多様化を図る。

その3日後には、グループ事業の再編を実施することも公表した。グループ間で分散していたマンション管理、工事、ビル管理の事業を今春にそれぞれ集約することで、ストック事業(安定継続的に収益を得ることができる蓄積型の事業)を一層強化する方針だ。

ストック事業に人員シフト

「これまで経営の中心はマンションなどの開発だった。が、これからは不動産管理を中心とする経営に迅速に変えていく」――。おとそ気分が抜けきらない1月5日の仕事始めに、大京の山口陽社長は社内イントラネットを使った動画で、グループ社員にそう檄を飛ばした。

目下、大京は経営の構造改革を断行中だ。1990年に1万8000戸以上ものマンションを売りさばいた経営スタイルはいまや昔。バブル崩壊で経営が悪化し、2004年に産業再生機構の管理下に入った。

その後はオリックスが経営スポンサーとなり、それまでの規模拡大路線と訣別。採算重視を徹底したうえで進めるマンションなどの不動産開発と、確実に利益を積み上げることができるマンション管理などのストックビジネスによる「両輪経営」を掲げた。

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