国際文化会館とAPI「合併」で目指す新境地の展望 船橋API理事長、近藤・国際文化会館理事長に聞く

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近藤:SVJPが設立されたのは5年前ですが、その伏線の活動を2年ほど行っていました。当時、私はシリコンバレーのツイッター本社で副社長でしたが、シリコンバレーでは日本の企業のトップの存在感が皆無であることに危機感を覚えていました。シリコンバレーは肩書ではなく、個人対個人の世界です。新しい事業は、個人と個人の関係で生まれる世界なのです。

日本には、センサーや建設技術、ヘルスケアなど、シリコンバレーが興味を示すいろんな技術やノウハウがあるのに、まったくプレゼンスがありませんでした。そこで、船橋さんと相談して、日本のトップとシリコンバレーのトップとの意見交換会の場を作ろうということになったのです。

検証はシンクタンクの非常に重要な機能

船橋:政策研究の分野では、公共政策の検証を重要な仕事と位置付けてきました。『福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書』(2012年)、『民主党政権 失敗の検証』(2013年)、『検証 日本の「失われた20年」』(2015年)、人口問題民間臨調 調査・検証報告書『人口蒸発「5000万人国家」日本の衝撃』(2015年)、『新型コロナ対応民間臨時調査会 調査・検証報告書』(2020年)、『福島原発事故10年検証委員会 民間事故調最終報告書』(2021年)、『検証 安倍政権』(2022年)と、10年で7冊の検証報告書を刊行してきました。そこで一貫して探求してきたのは、「公共政策とガバナンス」の検証の仕事でした。

検証はシンクタンクの非常に重要な機能だと思っています。民間事故調をつくったとき、「真実なくして検証なし、検証なくして提案なし」という標語を掲げました。今日のネット社会では、フェイクニュースに代表される事実認定をすっ飛ばした情報が氾濫しています。それが「分断の政治」をさらに分断させる結果となっていると思います。証拠に基づいて事実を認定し、エビデンスに基づいて政策をつくり、熟慮し、議論する民主主義の基盤につねに立ち返ろう、そのためには独立した立場で、市民社会が公共政策を検証し続けていくことが大切だとの考えからです。

(後編に続く)

武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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