「パワハラ」が発生する職場の共通点と防止策 指導は感情的にならない、問題行動や内容に焦点
パワハラ認定される可能性が高い6類型を説明しましたが、その中でパワハラととらえられる指導は以下ものになります。
②大声で罵倒する、机を叩くなどの威嚇的な行為
③大勢の前で注意する(内容による)
④長時間立たせるなど身体的苦痛を与える
⑤不適切な言葉、表現(身体的に危険を感じさせるような発言、雇用を脅かすような発言、人格を傷つけるような発言)
「身体的暴力」については、もはやパワハラというよりも暴行・傷害などの刑事事件として処罰される可能性があります。また、「不適切な言葉、表現」については、「できなかったら殴るから」「これぐらいのことができないのなら辞めてもらうしかないね」「ばか。能無し」といった表現もパワハラとなる可能性があります。
上司が注意・指導する際のポイント
上司から部下に注意・指導する際に熱が入りすぎてパワハラとなるケースがよく見られます。では、パワハラにならない指導を行うにはどうすればよいのでしょうか? ポイントは以下の通りとなります。
②感情的にならない
③人格や性格を否定しない
④どのように改善すべきかを伝える
⑤部下にどのように伝わったか確認する
つまり、上司が部下に注意・指導する際は「感情的にならず、淡々と問題点に絞って指摘し、どのように改善したらいいか説明すること」が重要です。
「そんなことでは部下が言うこと聞くわけないだろう!」と思われる方もいるかもしれませんが、今までのように感情的に人格や性格を否定するような言動での注意・指導は労働局からの指導や訴訟に発展する可能性があり、会社の信用にも影響する場合があります。
淡々と注意や指導をしても改善されない場合は、就業規則に基づく懲戒処分(始末書を提出させる、出勤停止、諭旨解雇等)や人事評価に基づく降給、降格処分などを実施するようにしましょう。
このように書くと、「これからは部下に対して注意・指導もできないのか」と思われるかもしれませんが、それは違います。皆が働きやすい会社にするためには問題行動を取る社員に対して注意をし、若手社員を育てるためには指導は欠かせません。
ただし、その注意や指導する際に「あほ、ぼけ、かす。こんな小学生でもできることができないのか?もう辞めてまえ!」と机をバンバン叩いて長時間くどくどと大声で怒鳴るのではなく、「君のここが問題だからこのように直しなさい」と感情的にならず簡潔に注意・指導すればいいのです。
パワハラを意識しすぎて部下への注意・指導を躊躇するのではなく、正しい注意・指導する方法を身に付けてください。
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