民主党はメディア対策の強化を! 示唆に富む英ブレア政権

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 その際に得た話や文献から「官邸のメディア対応体制の整備」を整理して民主党の幹部に提案した。その概要を皆さんにお伝えしたい。

英労働党は、選挙でのメディア対策を強化した!

メディア対策で重要なのは「選挙」における対応だが、選挙においても労働党は新しい取り組みを行っている。これはトニー・ブレア氏が党首として指揮したもので、以下のような取り組みを進めたという。

(1)直接有権者と会話(コミュニケーション)。クマール議員が候補者だった頃、仕事が終わった後に戸別訪問をやっていた。年6000戸を回ったという(イギリスは戸別訪問可能)。

(2)「労働者のための党」という労働党のイメージを変えるため、学歴が高い候補者を増やし、優秀な人材で党の幹部も固めた。また、「新労働党」と銘打ちロゴなどを変えた。

(3)候補には、選挙活動のトレーニングを行った。

(4)ブレア以前は、個々の候補の発言内容が違っていたが、1992年の選挙からすべての候補者が党の政策を理解し、同じことを言うように徹底した。同じことを繰り返し言うことが重要である。

(5)政策は、中間層をターゲットに作成する。フォーカルグループにアンケートを行い政策の分析を行った。

ということだった。当たり前のことではないか、と読者は思われるかもしれないが、現在の民主党も自民党も上記の項目をすべて実施はしていない。

特に(3)(4)(5)などの充実は課題ではないかと思う(アンケートはしているが党の活動にシステマチックにフィードバックされていない)。

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