民主党はメディア対策の強化を! 示唆に富む英ブレア政権

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


官邸のメディア対応体制強化を!

そして政権として重要なのもメディア対策である。政府および政党のメディア対策体制を整備することが喫緊の課題である。

私が提案するポイントは以下の3点だ。

(1)単なる広報ではなく「メディア対応の専門家」を官邸に置き、メディア対応の集権化を図る。現在、官邸には広告代理店や記者の経験者がいるが、有権者とのコミュニケーションの戦略を考え実行する人材が必要だと思う。たとえば、ブレア政権では首席報道官としてマスコミからキャンベル(英大衆紙デーリー・ミラーの元記者)を採用。キャンベルは閣議にも出席した。

(2)各省庁のメディア対応体制を強化するとともに、各省庁のメディア対応部署を官邸のメディア担当官が一元的に調整、指示する。たとえば、95年から2001年にかけて、広報担当者が倍増された。首相官邸は10人から17人に、外務省は22人から55人に、財務省は13人が30人となった。また、ブレア政権の官邸報道室は「政府情報コミュニケーション・サービス(GICS)」として各省庁の広報活動を調整した。官邸報道室は情報システムにより各省庁の報道スケジュール・内容を管理、官邸が強調したい政策やメッセージを盛り込ませた。

(3)マーケティング手法を用い、メディアの反応をリアルタイムで把握する。また、「市場志向型政策作成」を行う。たとえば、ブレア政権では、選挙区ごとに抽出された5000人(フォーカルグループ)に対し、政策などへの反応を分析。党に「影のコミュニケーション機関」を設置し、150人を超えるメンバーが広告代理店から出向したという。

もちろん、メディア対策は政治の本筋ではなく、政策の実現でこそ有権者に訴えるべきである。しかしながら、やはり政治は「コミュニケーション」が基盤だ。有権者の声を聞き、そして政治が実現したことを伝える。その機能の強化を行わなければならないと感じている議員は私だけではないはずだ。

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事