写真で振り返る東海道新幹線「のぞみ」30年の記録 運行前の試乗列車からN700Sまで「取材秘話」
同年2月25日には時速285km運転の「先行体験列車」が走り、筆者も同乗取材した。団体扱いで、関係者や報道陣以外に一般客も乗車する異例の列車だった。列車番号は臨時列車を示す「9285」。車両は同月22日に搬入されたばかりのピカピカの新車N700Aが抜擢された。運行時刻は東京12時23分発、名古屋14時02分着・14時06分発、新大阪14時53分着だった。
報道関係者には2号車が充てられ、当時の新幹線鉄道本部長、巣山芳樹氏自ら車内放送で開発の経緯を語ったほかスピードアップの様子もアナウンスし、一般乗客が歓喜して放送を録音するさまも見られた。この日は運転台も報道陣に特別公開された。乗務するのは若い女性運転士だった。「夢の超特急」への憧れとともに新幹線の取材を続けてきた筆者にとって、「のぞみ」登場以来となる東海道新幹線区間のスピードアップは画期的と感じた。
N700Sに感じた「武骨さ」
そして、新たな主役は2020年7月に運行を開始した13年ぶりのフルモデルチェンジ車両、N700S(Supreme、究極)だ。
筆者は2018年3月10日に、同社浜松工場で量産先行車を取材した。間近で見るN700Sは、これまでの車両の滑らかなスマートさと比べて無骨さも感じられるスタイルに思えた。それがある意味で頼もしい姿のようにも見えたのは、筆者の新幹線に対する思い入れがなせる業だろうか。
ともあれ、今年で30年を迎え高速列車の代名詞ともなった「のぞみ」は、今後も東海道・山陽新幹線、そして日本を代表するフラッグシップトレインとして走り続けることであろう。
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