デジタル化で大失敗する担当者が知らない重大事 IT業界の見積書にありがちな「一式」の怖い意味

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小項目の一部で「一式」を使う場合はありますが、作業全体に対して一式という見積書が出てきたら「開発会社側も全体の工数が見えていない」と考えるべきでしょう。穿った見方をすれば「一式」では、いくら水増しされていてもわかりません。

IT業界の見積もり構成は、基本的に『作業項目=数量(人月、人日等)×単価』の方程式で積み上がっていきます。見積もりを取ったプロジェクトの規模によっても変わりますが、基本的には項目ごとにスケジュールをきちんと考慮する構成です。数量が人日の場合は日付ごと、人月の場合は週単位や半月ごと、大きくても月ごとのスケジュールが出せるので、それをセットで提案してもらいましょう。他社の見積もりと比較し、金額やスケジュールの妥当性を検証することが可能となります。

この2つすら押さえられていない見積もりを出してきた会社は、避けたほうが無難です。ただ、このような不透明感のある見積もりを出してきた会社ばかりを責められないケースもあります。もし見積もりを依頼した時点で何を実現したいかを明確にできていなかった場合、相手もいつまでに何ができるかを見積書に落とし込めないからです。そうならないためにも、必ず以下を押さえておきましょう。

必ず「相見積(アイミツ)」になることを伝える

見積もりを依頼する際に、開発会社には相見積(アイミツ)になることを伝えてください。その際に、開示できる範囲で仕様書などがあるとより良い見積もりを取れるでしょう。「相見積になります」と伝えることで、開発会社としても受注できるかどうかは見積書次第という意識になり、より正確な数字で見積もりを出してくるはずです。

もちろん1社だけ見積もりを取る場合に比べ、その金額が相場に合っているか、高いか安いかを判断する基準を持てるようにもなります。

IT見積もりの構造上、1つひとつの項目における単価が上がれば、総額も高くなるのは仕方のないことです。そして単価を高いと感じるか安いと感じるかは、プロジェクトの予算規模の影響を強く受けます。予算がたっぷりあれば相対的に単価を安く感じ、予算が厳しければ単価は高く感じるからです。もちろん稼働するエンジニアの技術力にも大きく依存するため、そこについての説明も受けるべきでしょう。

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