吉田カバンの売れ筋に見た「仕事バッグ」の最新事情 新年度の春は売れやすく「気分転換の買い替えも」

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先輩や友人から情報を得る人もいるだろうが、学生の就活時に向くバッグは何だろう。

「当社の売れ筋では『ポーター インタラクティブ』がお勧めです。マチ幅の狭いタイプになりますが、新卒時の企業訪問なら、まだPCを持ち歩かないでしょうし、受け取る資料等はデジタル化が進んでいるので、このタイプが人気。入社後に使い続ける人も多いです」

吉田カバンの岡田博之さん(広報部)はこう語る。かつては同社直営店の販売スタッフとして勤務し、こうした相談とも向き合ってきた。

昔から就活学生は、地味系の服装で目立たないバッグというのが定番だった。「没個性」という声もあるが、近年はそこで個性を打ち出す人も減り、学生は冷静に受け止めている。「リュック姿で就活というのもヘンじゃないですか」という若手社員の声も聞いた。

新たな配属先で荷物が多くなったら…

「入社が決まってから、3wayバッグを買いました。当社は文系の新卒社員は営業に配属されることが多く、モノがたくさん入るタイプがいいと思いまして。3wayを選んだのは、普段はラクに背負いたいけど、フォーマルな場では手提げにできるからです」(前述の男性)

ご存じの人も多いが「3wayバッグ」とは、手提げ・肩掛け・背負いの3用途に対応するタイプをいう。最近は肩掛け派が減り、手提げ・背負いの「2wayバッグ」も支持される。

「モノがたくさん入るタイプなら『ポーター タイム』が人気ですね。メインの部分が大きく開き、PCやタブレット端末が収納できます。内装にはペットボトルや折りたたみ傘を収納できるポケットも装備。メイン素材には軽量で強度があるポーターオリジナルのコーデュラ®️ナイロンツイルという生地を使っています。また、防水性もあります」(岡田さん)

この手のタイプなら、人事異動で営業や現場などの外勤に移った人にも向きそうだ。実際に「以前より荷物が増え、今のバッグでは対応できなくなった」という相談もあるという。

「ポーター インタラクティブ」(2万9700円、税込み。左写真の右側)と「ポーター タイム」(4万7300円、同。左写真の左側)。双方のマチ(厚み・奥行き)はこんなに違う。 広報部の岡田博之さんは、実物を手に商品の機能性を紹介してくれた(右写真、いずれも筆者撮影)
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