話題の完全栄養食「ベースフード」開発の紆余曲折 味はどうか、これさえ食べていればいいのか?

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1食分で1日に必要な必須栄養素の3分の1がとれる完全栄養食、「ベースフード」。2017年の発売以降これまでに4000万袋以上を販売。宇宙食のような味気ない食品を想像するが、例えばパンは一般のものと比べ味が劣るということはない。写真は左から時計回りに、BASE BREADカレー、メープル、チョコレート(撮影:梅谷秀司)
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「健康」は現代人の最大の関心事。そして食事は休息や運動と並んで、健康の基礎となる重要な営みだ。しかし現代人にとって、健康によい食事をとり続けるのは至難の業である。そうした食事には時間、金銭面でのコストがかかるためだ。また、栄養に関しての知識が不足していたり、カロリーが高くおいしいものを食べすぎてしまいがちなのも、健康的な食生活を阻む要因だろう。

しかし今、この「健康な食生活を送るのは難しい」という常識も変わり始めているのかもしれない。

というのも、三大栄養素のほか、ビタミンやミネラル、食物繊維など、必要な栄養素がとれる「完全栄養食」が注目を集めているためだ。

注目の「完全栄養食」とは?

ブームの先駆けとなったのは2016年4月に設立されたフードテックベンチャー、ベースフード。そのほかにも完全栄養食と銘打った商品は数多く出回っており、日清食品など大手の食品会社も参入してきている。

カラダにいいと言っても、味はどうなのか。そして完全栄養食さえ食べていれば健康を維持できるのだろうか。今回、完全栄養食にまつわるさまざまな疑問について、ベースフードに取材した。

BASE PASTA フェットチーネ。オリジナルソースを組み合わせても、市販のソースを組み合わせてもよい。そのほか焼きそばなどにもアレンジできるBASE PASTA アジアンもラインナップ(写真:ベースフード)

ベースフードは2016年のクラウドファンディングでの取り扱いからスタートし、今はパン、パスタ、クッキーなど3カテゴリー12種類をラインナップ。公式オンラインストアのほか、コンビニやドラッグストアなどで販売している。パンなら袋から出してそのまま、パスタも1~2分ゆでてソースをかけるだけと簡単に食べられ、1食で1日に必要な栄養素の3分の1を摂取できる。糖質は一般のものに比べ約30%低減、合成保存料や合成着色料不使用という。

コロナを背景とした健康への意識の高まりも受け、現在までに4000万袋以上を販売、取り扱い実店舗も全国で9500店舗以上に広がっている。

まず、なぜこのような食品を開発することになったのだろうか。開発者でもあるベースフード代表取締役の橋本舜氏はもともと食事に関しても栄養に関しても門外漢だという。しかし自分自身が必要性を強く感じたことが、開発のきっかけになったそうだ。

「健康にいい食事というのは、いわゆる『一汁一菜』に副食を加えた献立。しかし働いている現代人が、毎食用意するのは不可能に近いですよね。自分自身、以前の会社で働いていたときは単身だったこともあり、どうしてもコンビニや外食が多くなっていました。その結果、健康診断の数値も年々悪くなっていったんです。自分のためにも、この状況を変える必要があると感じました」(ベースフード代表取締役の橋本舜氏)

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