民主党代表選、「競り合い」でこじらす病 新執行部でシコリが残りかねない
しかし、問題になるのは、ポイントの約半分を占める党員・サポーター票の動向だ。
2010年の代表選では、小沢氏は議員票で400ポイントを獲得し、菅氏の412ポイントに迫っていた。だが小沢氏が獲得した党員・サポーター票はわずか51ポイント。249ポイントを獲得した菅氏に5倍も差を付けられて敗退した。党員・サポーター票は「陸山会問題」の渦中にあった小沢氏に明確にノーを突きつけたわけである。
党員・サポーター票は、その意味でシビアである。となれば、細野氏には不利なムードがある。週刊新潮は1月22日号で、「ハンサムだから『地方議員』にすがってしまう 背骨のない八方美人『細野豪志』の取扱説明書」を掲載している。また、先の衆院選前に細野氏が海江田執行部に提案した維新の党との一部統合について、いったんは「維新の党からの提案だった」と公言しておきながら、抗議を受けてすぐさま内容を訂正した点は、未熟な印象を与えた。ムードという点で、細野氏には不利といえるだろう。
組合票のない細野氏は不利
さらに、細野陣営にとって不利なのは、党員・サポーター票には、民主党の支持母体である組合票が多いことだ。「組合の支持が少ない細野氏に不利」と細野陣営関係者は言う。
党員・サポーター数は、民主党が政権政党だった2012年の32万6947名から現在では22万6148名まで激減した。減少分は、組合などのしがらみがない人たちと推定される。よって当然、いまの構成では組織票の比重が高くなっていることが考えられる。
むしろ懸念されるのは、細野陣営がギリギリまで代表の座を目指して熱戦を繰り広げることだ。そうなると岡田氏との間のミゾはますます深まり、岡田氏が代表に選ばれた際、細野氏を支持したグループは党執行部には入れず「党内野党」のような存在として、対立の火種を残し続けることになる。今回の代表選は、「一体感のない民主党」という病をいっそうこじらせることになりかねない。
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