ビンタジョークのクリス・ロックに下された診断 北米の青少年の25人に1人が抱えている障害
第94回アカデミー賞授賞式で俳優のウィル・スミスから平手打ちを食らったコメディアンのクリス・ロックが、非言語性学習障害(NVLDまたはNLD)と診断されていたことが改めて注目を集めている。
授賞式でロックは、スミスの妻で女優のジェイダ・ピンケット・スミスのヘアスタイルをジョークのネタにしたが、彼女がスキンヘッドにしていたのは脱毛症が原因だった。この発言に怒ったウィル・スミスはステージに上がってロックに平手打ちをし、見ていた人々を驚かせた。
この平手打ち騒動をめぐる議論のせいで、スミスの主演男優賞受賞もアカデミー賞授賞式そのものもすっかりかすんでしまった格好だ。世間の強い関心はスミスとロックだけに集まっている。
コメンテーターもネットユーザーも、ロックとスミスの両方が悪かったと批判している。
スミスはその後、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーを退会。「授賞式での私の行動は衝撃的で不快で許されざるものだった」との声明を出した。
一方で、ロックがNVLDの診断を受けていたことに新たな関心が集まっている。
NVLDへの理解を広めることを目的とする非営利団体のNVLDプロジェクトによれば、NVLDの人は「特に社会的スキルや空間概念に困難を抱えている」という。
人の気持ちを読むのがうまくない
事件以降、グーグルでのNVLDに関する検索は急増。ソーシャルメディアでも多くの人が、ロックとNVLDに関する情報を拡散している。
女優でプロデューサーのオースティン・ハイスミス・ガーセズは3月31日にこうツイートした。「クリス・ロック自身に障がいがあったというのを初めて知った。アスペルガー症候群に似たNVLDだそうだ」
テレビで法律問題のコメンテーターとして活躍するエイミー・ダッシュも29日、ツイッターに「クリス・ロックにとっては、非言語性学習障害の診断を受けていることや、それが対人関係に与える影響について、世間に関心を持ってもらういい機会だ」と投稿した。