ウクライナ戦争「アメリカが原因作った説」の真相 シカゴ大教授が非難、YouTube再生100万回以上

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このアメリカの危機対応は諸外国による南北アメリカ大陸への干渉を拒否するアメリカの「モンロー主義」であるとし、ロシアも、それと同じように自らの「裏庭」に当たるウクライナを西側の対ロシア防波堤と化すことは決して認めない、と指摘した。

その指摘通り、2014年のロシアのクリミア半島への侵攻以来、ウクライナは新しい東西対立の最前線となってきた。ロシアにしてみれば、ポーランド、ルーマニア、バルト3国などに加え、ウクライナまでもがNATOに加われれば、NATOとの間の「緩衝地帯」を失うことになる。

② EU拡大

ロシアをウクライナ軍事侵攻にまで追い込んだ西側のストラテジーの2つ目の柱としてミアシャイマー教授が挙げたのが、欧州連合(EU)拡大だ。EUは経済的かつ政治的な連合体で、西欧型リベラル民主主義の基盤ともなっている。

そのEUに、ポーランドやチェコ、ハンガリー、バルト3国など10カ国が2004年に、ルーマニアとブルガリアの2カ国が2007年に、さらにクロアチアが2013年にそれぞれ加盟を果たした。

これらの国々に続き、西側がウクライナやジョージアもEUに加盟させようとしていた動きをミアシャイマー教授は指摘する。確かにEUはジョージアやウクライナなどロシアと距離を置く東欧諸国のさらなる加盟に向け、実務的な交渉を進めてきた。そして、ロシアによるウクライナ侵略を受け、ウクライナは2月28日に、ジョージアとモルドバは3月3日にそれぞれ加盟申請を相次いで行った。結果としてロシアを刺激してきたことは想像にかたくない。

ロシアを追い込んだ3つ目の柱

③ カラー革命

ミアシャイマー教授によると、ロシアを追い込んだ西側のストラテジーの3つ目の柱は、カラー革命だ。

カラー革命とは、ユーゴスラヴィアやセルビア、グルジア、キルギスなど旧ソ連下の共産主義国家の国々で2000年以降、独裁体制の打倒を目指して起きた民主化運動のことだ。

ミアシャイマー教授は、ウクライナでは2014年2月中旬、アメリカの支援を受けて拡大したクーデターが勃発。親ロシア派のヤヌコビッチ大統領が同月22日、デモ隊の動きを止められずに騒乱の中に解任され、親米派のリーダーが後釜に据えられた事実を指摘した。そして、ロシアはこれを容認せず「違法な政権転覆」と非難、同年3月1日のクリミア軍事侵攻につながったと同教授は述べている。

このウクライナの政変は、プーチン大統領が力を注いでいた2014年のソチ冬季オリンピック期間中に起き、プーチン氏としてもメンツをもろにつぶされる格好になった。

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