長生きしたいなら「プロテインより海藻」の理由   腸環境を整える善玉「酪酸菌」のすごい力とは?

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そもそもアレルギーとは、花粉やほこり、食物など、通常なら体に大きな害を与えることがない物質に対して、過剰な免疫反応が引き起こされることです。現在、日本人の約半分がなんらかのアレルギーを持つとされ、さらに年々増加傾向にあります。

アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、喘息の有病率の増加(同書より)

酪酸には、そんなアレルギーが引き起こす症状も改善させる可能性があります。まだ、マウスでの遺伝子解析の段階ですが、人間でも同様の可能性があることは十分に考えられます。

難治性の副鼻腔炎の炎症を抑制

難治性副鼻腔炎の1つに「好酸球性副鼻腔炎」があります。治療としてステロイド剤の投与や手術がありますが、再発を繰り返すことが多いのが特徴です。そんな好酸球性副鼻腔炎にも、酪酸が効果がある可能性が報告されています。

好酸球性副鼻腔炎の患者さんから得た鼻ポリープに短鎖脂肪酸の酢酸、プロピオン酸、酪酸を投与したところ、酪酸が有意に炎症を抑制しました。

また、分泌が過剰になると次々と炎症反応を起こす炎症性サイトカインでも、酪酸を投与するとサイトカインを抑制できる可能性が明らかになったのです。

免疫システムに異常が起こると、自分自身の正常な細胞や組織に対してまで過剰に反応し、攻撃してしまうことがあります。こうして起こる疾患が「自己免疫疾患」で、「1型糖尿病」や「関節リウマチ」、「潰瘍性大腸炎」などが挙げられます。

こうした自己免疫疾患の患者さんでは、健康な人に比べて酪酸を作り出す酪酸菌の量が減少していることが報告されています。

そもそも糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)が増え続ける病気です。通常、糖質は分解されてブドウ糖に変わり、血液中のブドウ糖が増え、血糖値が上がります。すると、すい臓がインスリンを分泌し、ブドウ糖を肝臓や筋肉、脳に取り込み、血糖値が下がります。

しかし、インスリンが十分分泌されなかったり、効きが悪かったりすると血糖値は上がってしまうのです。

糖尿病には、自己免疫疾患の1つでインスリンを出す細胞が壊される「1型糖尿病」と、遺伝的な影響に肥満やストレスなどの生活習慣がかかわって発症する「2型糖尿病」があります。

自己免疫性糖尿病モデル動物(NODマウス)という、糖尿病モデルマウスを使った研究報告があります。糖尿病マウスは、生後20週、30週と歳をとってくると、自然に1型糖尿病を発症します。しかし、この糖尿病発症マウスに「クロストリジウム・ブチリカム」という酪酸菌を飲ませると、年齢を重ねても糖尿病にならなくなるのです。

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