僕の場合は、いわゆる「飲みニケーション」は多く行なっていませんが、ランチミーティングなどで社員とコニュニケーションを計っています。私からみて、國光さんのやり方も一理あります。要は、「日本の本社と海外の拠点間で情報の差があるのではないか」、「海外拠点は突然閉鎖させられるのでは」などの不安を払しょくし、細やかなコミュニケーションによって会社のビジョンを共有することが最大の目的であるのですから、そのための手段は、飲みだろうと、ランチミーティングであろうと、どちらでもいいわけです。
再び、國光さんの言葉を引用してみましょう。
「これまでは、現地の人中心という体制で、徹底してローカル化を行なってきました。おかげで、各国のローカル企業として一定の成果が出てきた今、gumiは次のグローバルでの連携を強化するフェーズに入ったのではないかと考えています。グローバルな視点で考え、現地に合わせて行動するため、この考えを各拠点に横断的に浸透させていくため、ひたすら現地を回って戦略やミッション、ビジョンについて伝え、質問を受けて語り合うということを徹底しています。これが正直、疲れるんです。何度も同じ話をし、同じような質問を受けて、語り合わなければならないんですから。でも、次のフェーズに入っていくためには不可欠なことなのではないかと考えています」
トップが行うべき仕事とは?
自社のステージを見極め、そのステージにあった事業戦略を打ち出し、人材戦略も回していく。これこそが、トップが行うべき仕事なのです。
國光さんは、「採用はステージで変わる」と断言します。これは僕も同じ意見で、会社がスタートアップの時期なのか、拡大期に入っているのかなどで採用手法も変わるのは当然です。日本の採用事例についても伺いましたので、再び國光さんの言葉を引用してみましょう。
「いつ潰れるかわからない最初のころは、基本的に誰も入ってくれない。だから、会社に属していない優秀なフリーランスのエンジニアに声をかけ、週3回でいいから手伝ってくれと頼みました。その次に声をかけたのは、優秀なんだけれど日本語がうまくない、という理由だけで評価が下がりがちな海外出身の人。僕自身が1次面接から出て、いいと思ったらこちらから会社のことをプレゼンして、口説くぐらいの姿勢でやってきました」
gumiが福岡に拠点を出したのも、東京で優秀な人材が採りづらくなってきたため。シリコンバレーではなくアジアに進出したのも、優秀な人材が採りやすいから。常に、経営戦略と人材戦略が一体化しているのが、gumiの強さの秘訣だと言えるでしょう。
(構成:朝倉真弓)
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