前編でお伝えしたように、世界のアートシーンから評価され、ニューヨーク、シンガポール、台湾などで、展示を成功させているチームラボ。最先端の作品を作り上げる個性的なクリエーターたちを、代表の猪子寿之氏はどのような組織マネジメントでまとめているのか。
通常、生産性・品質を高めるためには、業務を細分化し、従業員に役割を与える。ルールを作ることで従業員の目的が明確になる側面もあるし、そのルールは従業員の評価を計測するものさしにもつながる。業種にもよるが、多くの企業の場合、それを良しとしている。
だが、猪子氏の考えは違う。
「人間は本来生産的で創造性あふれる生き物なんだから、ルールをいかになくして、組織が成立するかを考えるべき」
「ノマドをしない」という合理的判断
チームラボのマーケティングディレクター・中村洋太氏はこんな具体例を話す。
「途中までできあがった作品を見て、『何か違う』『面白くない』って思うことがあるんですよ。やり直すと時間がかかる。土日がなくなる。でも、『(自分は)こっちのほうが面白いと思っちゃってる!』ってなると、みんなやるんですよ」
猪子氏は「人間は生産的」と言うが、特にチームラボのスタッフはその傾向が顕著なようだ。「面白い」と思うことを形にしないことには満足できない。
だが、「ルールは減らすべき」とする一方で、自由な働き方として新しく認知されつつある「ノマド」や「在宅ワーク」は取り入れていない。顔を突き合わせて仕事をすることが「合理的な判断」(猪子氏)の結果だと言う。一体どういうことなのか。
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