15両編成や複々線化も?京葉線が秘める「潜在力」 貨物線として計画、各地に不思議なスペースが
近年、JR京葉線が大きな変化を遂げつつある。1つは今年1月29日、舞浜駅のホームを東京方面に45m、蘇我方面に55m延伸したことだ。ホーム延長は300mにもなり、15両編成が停まれるほどの長さだが、列車の停止位置を方面別に分けることで混雑緩和を図ることが狙いだ。
2つ目は、新習志野―海浜幕張駅間に設置される京葉線初の新駅、幕張豊砂駅だ。こちらは2023年春開業に向けて、上下線間の空きスペースを使って目下工事が進められているところだ。
このような工事は大掛かりな用地買収が必要になることが多いが、京葉線はこういった新たな施設の整備が比較的簡単にできる路線である。その理由は、もともと線路の増設に備えた用地の確保などが至るところで行われてきたからである。今回は京葉線の「本当の姿」を探っていきたい。
15両運転や複々線が可能?
冒頭で触れた舞浜駅は、もともと15両分のホームを造れるスペースがあった。さらに、陸側には1面2線増やすスペースもあり、東京方面から舞浜駅に入る部分で線路が進行方向右側に少し寄っている。また、舞浜を過ぎて大きく左にカーブするところの道路を跨ぐ高架橋の柱を見ると、さらに複線分を取り付けられるような構造であるように見える。そう、京葉線は複々線、そして15両編成に対応することが考えられていたのだ。
実際、京葉線建設時の記録をまとめた『京葉線工事誌』(日本鉄道建設公団東京支社)には、この舞浜―新浦安間の大カーブにある架道橋部分の断面図に、複々線分の高架橋が描かれている。
同工事誌には「将来15両化を見据えて」といった文言も随所にあり、駅部分の線路の長さである「停車場の本線路の有効長」は340m以上とされている。20mの車両なら15両で300mだ。車両基地については「将来対応の15両を考慮して、車両の前後に10mの余裕長を加え、320mとし」との記述があり、15両化に備えた設計であるとはっきり記している。
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