鉄道大手、旅客回復の影で「通勤定期減」の衝撃 4〜6月期、出社減り「定期外」へのシフト鮮明に

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定期外利用者の伸びで鉄道利用の回復が進む一方、通勤定期客は減少している(撮影:尾形文繁)

上場するJR4社、および大手私鉄14社の2022年3月期第1四半期決算が出そろった。一見してわかるのは、前年度同期に比べ、鉄道事業または鉄道を含む事業セグメントの収支が大幅に改善していることだ。上記18社に同四半期の決算を公表している東京メトロを加えた19社について鉄道事業または鉄道を含む事業セグメントの収支を見ると、19社すべての営業収支が改善し、東武鉄道、東急、小田急電鉄、名古屋鉄道、阪急阪神ホールディングス(HD)、西日本鉄道の6社は営業黒字への転換を果たした。

まだ営業赤字が続いている会社の中には、運輸業(相鉄HD)、都市交通・沿線事業(西武HD)といった具合に鉄道を含む事業セグメントにバスなどの事業を加えているケースもある。そうした会社も鉄道だけを抜き出せば、収支がさらに改善していることは間違いなさそうだ。

通勤通学利用の回復進展

昨年、2020年の4~6月といえば、4月7日に東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に緊急事態宣言が発出され、その後16日には対象が全国に拡大した。5月25日までに全面解除されたとはいえ、新型コロナウイルスという未知の脅威におびえた当時は、多くの人々が自宅で息を潜めていた。

今年の4~6月も4月25日に東京、大阪、兵庫、京都の4都府県で緊急事態宣言が出された。ただ、昨年の同時期と比べれると「自粛疲れ」のせいか、買い物などの人の流動が一定程度あったほか、企業でも出社しての業務と在宅業務の使い分けが進み、学校でも対面授業が一部で実施されたといった要因から、どの会社でも鉄道旅客収入が増えている。

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