「風通しの悪い社風だった」と語る電気興業の近藤社長。ガバナンスを機能させ、株主を納得させる成長戦略を示すことはできるのか。
東京証券取引所が4月から再編され、プライム、スタンダード、グロースの3市場になる。当落線上の中小型銘柄は悲喜こもごもだが、最上位のプライムに適合しても株主対応やガバナンスをめぐって揺れる会社がある。
携帯電話の基地局やテレビ・ラジオ局向けのアンテナを手がける電気興業(東証1部)もそのひとつ。1925年に設立された国策企業、日本無線電信をルーツに持つ名門企業だ。2021年11月25日にプライム市場の選択申請を発表した。
長い歴史を持つ電気興業だが、2021年3月には同社初となる10年後のビジョンを示した「中長期経営戦略」を発表。そして、詳細な成長戦略を示した3カ年の中期経営計画(2022~2024年度)の公表を2022年5月に予定している。
同社ではNTTドコモなど大手キャリア(移動通信事業者)の設備投資に依存した受注型のビジネスモデルが常態化。定期的に行われる設備投資という収益源に頼ってきたせいか、これまで複数年にわたる経営計画を発表してこなかった。
今回初めて、かつこの1年余りで立て続けに経営計画を出すのはなぜか。理由の1つと考えられるのがアクティビスト(物言う株主)の存在だ。
物言う株主に迫られた自己株買い
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら