幹部ら4人が逮捕されたSMBC日興証券。「相場操縦」の違法性が焦点の1つとなりそうだ。

3月5日に会見した近藤雄一郎社長。2021年6月の証券取引等監視委員会の調査で一連の取引を初めて知ったという(撮影:尾形文繁)
3月4日夜、大手証券の一角・SMBC日興証券に激震が走った。東京・大手町の本社に東京地検特捜部の強制捜査が入ったのだ。東京地検によれば、ヒル・トレボー・アロン専務執行役員(51)を含む本部長・部長ら4人を逮捕した。
本件は2021年6月に証券取引等監視委員会が日興を調査していた。ただ、今回は「別の流れ」(森本宏次席検事)だという。
容疑は相場操縦のうち「安定操作取引」。2019年以降、5銘柄の株価を取引が終了する午後3時にかけて一定の幅に固定した疑いだ。金融商品取引法では、株価を操作する目的での取引を禁止している。
例えばある銘柄では、終値を5060円程度に維持しようとした。午後2時10分すぎから大引けの午後3時にかけて、1株5200円の買い注文を大量に入れた。残る4銘柄も同様で、エクイティ部の山田誠部長(44)は全5銘柄への関与が疑われている。
きっかけはブロックオファー取引
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