金融庁vs証券、仕組み債の実質コストめぐる攻防 情報開示の強化が外貨建て保険にも飛び火

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銀行を中心にじわじわと販売を伸ばしている仕組み債。金融庁がこの金融商品に注目し、販売規制の強化に乗り出している。

金融庁は仕組み債の規制強化に乗り出している(撮影:尾形文繁)

「人生100年時代を豊かに過ごすために、投資の幅を広げてみませんか」

「預金や国債に比べて高い利回りが期待できます」

そうしたうたい文句で今、銀行を中心に販売がじわじわと拡大している金融商品がある。仕組み債だ。

金融庁が規制強化に乗り出す

仕組み債とは、債券と金融派生商品(デリバティブ)取引を組み合わせた金融商品のこと。デリバティブ取引は個別株価や株価指数、為替相場などに連動しており、価格変動が大きいことから典型的なハイリスク商品ともいえる。

その仕組み債をめぐって金融庁が目下、販売規制の強化に乗り出している。

仕組み債はその複雑な構造から商品性の理解が難しく、かつては機関投資家や事業会社が主な販売先だった。それがここ数年、高齢者などの個人を主なターゲットにして、地方銀行が販売を急拡大させているのだ。

金融庁によると、地銀の仕組み債の販売額は2020年度で約7000億円。2016年度と比べると2倍超に膨らんでいるという。

規制強化の背景には、仕組み債の商品性をよく理解しないまま大金を振り向け、大きなリスクを抱え込む高齢者が増えている現状がある。足元の株式相場の急落を受けて、仕組み債で大きな含み損が発生している可能性もありそうだ。

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