ネット会議やたら多いエリートの体調が危ない訳 テレワークでむしろ休めず、突然休職のリスクに

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自分の疲労に気づき「休むことが必要だと気づく能力」だけでなく、「自らの状態に合わせた適切な休養行動を選択する能力」も必要ですし、「『休みたい』という希望を他者に伝える能力(勇気)」も必要です。

休む力というのは、これらの能力を結集した総合芸術みたいなものです。

非常に難しいからこそ、技術として磨いていく必要があるのです。

疲労に気づくために、自らの身体症状や自律神経の状態に自覚的になること、ストレス負荷がかかったときの反応を知識として知っておくことも重要です。

アプリなどのテクノロジーが一助になることもあります。

自らの気分を日記のように記録する認知行動療法系のアプリや、睡眠状態や気圧の変化などを把握できるもの、声や心拍変動などの生体情報を活用したストレスチェックなども、開発者によって精度や使用感にばらつきはあるものの、セルフモニタリング等に有効だと思いますし、今後ますます利便性は上がっていくでしょう。

私の場合は「午前中なのに寝起きみたいな状態が続く」とか「ちょっと目が開きにくい」みたいな状態を、休みを取るべきシグナルにしているのですが、「今日ちょっと目が開かないので、午後休みます」と言うのには、多少心理的ハードルの高さを感じます。「『休みたい』と伝えること」の難しさは、全くベクトルの異なるものです。

組織のカルチャーや仕組みでカバーするのが望ましい

このあたりは個人の慣れや話術、勇気の問題でもありますが、そこは個人責任に帰結せずに、組織のカルチャーや仕組みでカバーすることが望ましいと思います。

例えば、一部の企業では、申請理由が必要ない休みを運用をしており、今回の調査を実施した両社の「なんとなく休暇」「なんでも休み」や、生理休暇、不妊治療休暇などを含む、女性の有給取得申請はすべて「エフ休(Female休暇)」とした、サイバーエージェント社の事例などが該当します。

「休む」という高度な技術をいま一度捉え直し、個人レベルで磨いていくだけでなく、組織としても様々な実践や仕組みのあり方を提唱していけたら素晴らしいと思います。

この続きは別記事でお届けします。次回は2006年の創業以来テレワークを実施してきた、ワーク・ライフバランス社代表の小室淑恵さんに、テレワークの副作用に対して、個人として、組織の代表として、どのように対策をしてきたのか、「意識はしているが、実践できない」問題を抱える2つのインターバルを、どのように仕組み化してきたかなどについて話を聞く予定です。

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