復活?「小型液晶」 アップル特需は甘いか、酸っぱいか


その潮目をアップルが変えた。アップルは製造部門を持たず、世界中にある最高の技術を組み合わせることで独自の製品ラインナップを構築している。「アップル幹部は技術論文を丹念に読んでおり、これぞ、という技術があれば開発者本人に直接会う。自社の製品を最高水準にするべく、飽くなき挑戦をする企業文化がある」(アップル関係者)。

IPSに目をつけたのも、視野角の広さや色再現性など、性能面でVA方式よりも優れていると判断したためだ。09年にはLGの設備投資を支援することで、IPS液晶を大量に確保。これにより超高精細なアイフォーン4を実現した。

このアイフォーン4により、「超高精細」は、もはやタッチパネルにおける一つの世界標準となった。今では、多くのスマートフォンやタブレット端末向けにIPS液晶の引き合いが急増している。

需要が右肩上がりの中で「アイパッド2」「アイフォーン5」の発売を控えるアップル。IPS液晶が生産のボトルネックになる事態は、何としても避けたい。サムスンやノキアといったライバルが追い上げてきても、独走状態を保つためには安定調達先の確保が必須だ。アップルは極めて妥当な形で、成長のための準備を進めており、それにかかわっているメーカーの「特需」が当分の間、続くことは間違いない。

(前田佳子、長谷川高宏、西澤佑介/山田俊浩 =週刊東洋経済2011年1月29日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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