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「宅配クライシス」は遠い昔、需要爆発で変わる勢力図 Part1 超活況の明暗

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コロナ禍でECの荷物が急増する中、大きな地殻変動が起きている。

(Graphs / PIXTA)

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宅配便の物量増加が止まらない。新型コロナウイルスの蔓延による消費の巣ごもり化を受け、ネット通販(EC)の売り上げが急拡大。2020年度の合計取扱個数は前年度比11.5%増の47.85億個となり、近年は高くても1桁半ばだった伸び率は大幅に跳ね上がった。

ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の大手宅配3社はその恩恵を受けており、とりわけヤマトの取扱個数は20年度に業界平均を上回る前期比16.5%増まで伸びた。シェアも盤石で、20年度は3社で95%弱を占める(下図、ともに国土交通省調べ)。

17年にはドライバーの労働環境改善を名目に、宅配会社が荷受け量の抑制と配送料の値上げを顧客に要請した「宅配クライシス」が発生。十分な利幅が取れる環境が整った中で、荷物の数が爆発的に増えている今の状況は、物流業界にとって「わが世の春」といえる。コロナ禍以降の宅配会社は、うれしい悲鳴を上げているというのが一般的な見方である。

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