ECの活況に反して、個人ドライバーは苦境に立たされている。
「届けなければならない荷物が多すぎる。身も心もすり減ってしまい、うつ病寸前だ」
首都圏で3年以上アマゾンが配送を委託する運送会社(デリバリープロバイダ)の下請けドライバーとして荷物を運んでいる40代の男性ドライバーはこう訴える。
契約当初、1日に運んでいた荷物は130個前後。それが2021年5月を境に状況が一変した。下表はこのドライバーの配達状況をまとめたもの。これを見ればわかるように、5月以降1日当たりの平均配達個数が160個前後と2割ほど増え、多い日には210個の荷物を配達したというのだ。
荷物の急増は、アマゾンの下請けドライバーに共通している。関東の運送会社の幹部も「ウチのドライバーだと1日に230個程度。運ばされる荷物は右肩上がりで増えている」と明かす。
背景にあるのは、言わずもがなだがコロナ禍。巣ごもり需要の拡大でEC(ネット通販)の利用が急増しているからだ。そのシワ寄せが、こうした下請けドライバーに向かっている。というのも彼らは個人事業主で、労働基準法が定める残業規制の対象外だからだ。
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