檸檬堂をヒットさせた「戦略家」の周到な段取り アルコール後発、先駆者と同じことはやらない

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P&Gを経て日本コカ・コーラで「綾鷹」「檸檬堂」などのマーケティングを手がけた和佐CMO(撮影:梅谷秀司)

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競争の激しい缶チューハイ市場で、後発ながらヒットした「檸檬堂」。2020年、全国展開1年目にして790万ケース(350ミリリットル換算)を売り上げた。これは酒類業界で通例の250ミリリットル換算にすると1106万ケースに当たり、2003年に発売されたキリンの缶チューハイ「本搾り」に迫る数字だ。
後発ながらどのように差別化をして支持を得たのか。日本コカ・コーラの和佐高志CMO(最高マーケティング責任者)に聞いた。

動機は「やられたらやり返す」

――「檸檬堂」は2019年10月の全国発売当初から話題を呼びました。

2018年から九州限定で発売していたが、九州は焼酎などの人気が強く、缶チューハイにとってはハードルの高い地域。それでも「檸檬堂」が一定の支持を得たため、全国での展開に踏み切った。

九州以外の地域の人も九州への出張時に「檸檬堂」を買うなど、全国展開前からネットを中心に話題を呼んでいた。全国発売当初は一時、生産が追いつかなくなるなど迷惑もかけてしまった。

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