成城石井、ミニストップが踏み込んだ新領域 「お酒も飲める」店を出すワケ
外食ではない意外な企業が、「お酒を飲める店」の展開に乗り出している。
2014年11月下旬。横浜関内の神奈川県庁からほど近いオフィス街にワインバー「Le Bar a Vin 52 AZABU TOKYO 関内店」がオープンした。ランチ需要を意識したメニューラインナップや営業時間(11~23時)のほか、テイクアウトランチ(お弁当)やグラスワインが5年間飲み放題の「ワインパスポート」を用意するなど、お酒が飲めるワインバーとしてはユニークな形態だ。
成城石井がワインバーを運営
運営するのは外食企業ではない。東京都を中心に展開し、高級スーパーとして有名な「成城石井」である。成城石井にとってワインバーは2店目。ただ、2013年末に1号店として東京・麻布十番に出した「Le Bar a Vin 52 AZABU TOKYO」がスーパー併設型だったのに対し、関内店はスーパーを併設しない独立型の飲食店となる。1号店の売り上げは当初想定の2倍以上に達し、現在も好調を維持。成城石井は余勢を駆って2号店の展開に踏み切った。
2014年秋、東京・日本橋にオープンした「cisca(シスカ)」。コンビニとカフェ、サンドイッチや持ち帰り用の総菜を売る「デリカテッセン」、ワイン専門店の「グロッサリー」を融合させた新しい業態の店だ。イオン系でコンビニ業界5位のミニストップが運営している。
主なターゲットは20〜40代の女性。客単価はミニストップよりも2~3割高い設定で、「できたて」「健康感」「つながり」をコンセプトに、コーヒーや紅茶、スムージー、スープなどに加え、カロリー控えめのドーナツや野菜を使ったサンドイッチなど健康的な商品が多数ラインナップされている。
ミニストップもセブン-イレブンやローソンなどと同様に、店舗で購入した商品をその場で飲食できるイートインコーナーを構える店が多いが、シスカと通常のミニストップとの最大の違いは、店内での飲酒ができることだ。店舗の商品は約1200種類で、そのうち200種類程度が酒類。座席を17席用意し、女性の会社帰りの「ちょい飲み」需要を狙っている。
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