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中堅航空たちのサバイバル 市場戦略の再考は不可避

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コロナ前にどれだけ自分たちの実力で稼げていたか、明暗はそこで分かれる。焦点はANAに依存してきた3社だ。

週刊東洋経済 2020年10/3号
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厳しい経営状況はANA・JALの大手2社だけでなく、中堅航空も同じだ。

ソラシドエアは新型コロナウイルスの影響で、お盆期間(8月7〜16日)の搭乗者数が前年同期比75.2%減の1万5165人と大幅に後退。スターフライヤー、AIRDO、スカイマークなど各社も例外なくダメージを受けている。

このうちスカイマーク以外の3社は有価証券報告書を提出しており、いずれも「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況」の存在を認めている。スカイマークも2019年10月に申請していた上場の取りやめに追い込まれた。

中堅エアライン各社は遠くない過去、相次ぎ経営難に陥った苦い記憶がある。1997年に新規参入規制が完全撤廃されると、翌98年にスカイマークエアラインズ(現スカイマーク)、北海道国際航空(現AIRDO)が就航した。

02年にはスカイネットアジア航空(現ソラシドエア)が参入する。しかし、早くも同年3月期に北海道国際航空が大手の値下げの影響などで75億円の累積損失を計上、3億円の債務超過に陥り、民事再生法適用を申請する。04年にはコスト管理体制や市場戦略の不足からスカイネットアジア航空も産業再生機構による経営支援を受けるに至った。06年にはスターフライヤーも就航するが、やはり経営は軌道に乗らなかった。

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