2015年、鉄道業界の注目ポイントはこれだ! 北陸新幹線以外にも話題が盛りだくさん

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3月に廃止される予定の「北斗星」

在来線の話題として筆頭にあげられるのは、上野東京ラインの開業だ。宇都宮線・高崎線の運行本数の半分以上が東海道線と直通する。また、常磐線の運行本数の半分以上が品川駅まで乗り入れる。

東日本大震災で被災した路線についても、JR石巻線・浦宿―女川間が3月21日に、JR仙石線・高城町―陸前小野間が6月に開業予定だ。JR山田線・宮古―釜石間もJR東日本による復旧後に三陸鉄道に移管する方向で、2014年暮れに決着した。復旧は少しずつ進んでいる。

一方で、本州と北海道を結ぶ寝台特急列車「トワイライトエクスプレス」と「北斗星」が廃止される。残る「カシオペア」についても、年内には何らかの発表があるかもしれない。

JR九州、上場の方向性が明らかに

2011年にはインド鉄道省の幹部がJR東日本の車両基地を視察に訪れた

JR九州は2016年度の株式公開を目標としている。業績は着実に改善しており、自民党内でも上場を支持する声が多い。タイムスケジュールを考えると、年内には上場への方向性が打ち出されるはずだ。

気になるのは高速鉄道の海外展開だ。7月には国際鉄道連合(UIC)主催の世界高速鉄道会議が東京で開催される。世界中の高速鉄道関係者が東京に集まるため、新幹線の優位性を世界にアピールする絶好の機会である。

折しも日本が受注を狙うインドの高速鉄道、ムンバイ―アーメダバード間の事業化調査が今年夏に完了予定だ。「日本の高速鉄道がふさわしい」といった結論が出れば、今後の展開に弾みがつく。鉄道産業の動向は今年も目が離せない。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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