3年目の「アベノミクス相場」は期待薄? 過去2年と異なる、年末の下落をどう読むか

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クリスマス明けのNY証券取引所は2日続けて5億株台の出来高で、年末ラリーは不発の様相だ。

動かなかったヘッジファンド勢

筆者が聞いたある事業法人系の話では「今年はカレンダーの並びで、長期休暇を取る人が多く、実質クリスマス休暇明けは来年(2015年)の1月5日だよ」とのことだった。

ご存じの通り、欧米人には正月休みと言う感覚はなく、クリスマス休暇明けからバリバリ仕事を始め、申し訳程度にニューイヤーの1月1日を休むだけ。ところが今年は1月2日が金曜日なので多くの方が2日も休んで4連休として、あたかも日本の正月休みのよう。するとクリスマス明けで仕事をしてもすぐに4連休が来るので、例年通りの盛り上がりはない、クリスマス明けの3日間も休んで長期休暇の方も多いとのことだった。

これに対して、あるヘッジファンド系の情報によると、「とんでもない。こんな良い相場の時に休んでいられますか。クリスマス休暇明けの29日からは活発になりますよ」だったのである。

日本の多くの投資家もヘッジファンドの動きに期待した。結局、フタを開けて見たらこの事実。大体マーケット関係者の話はあてにならない(笑、筆者も一応マーケット関係者である)

ダウの呪い?「PERの縛り」は生きている

しかし、日本株について警告してきた「ダウの呪い」(ダウ平均のポインを日経平均が抜いたり接近したりする時、日経平均の目先天井となる)は生きている。

昨年12月8日の日経平均の終値は1万7935円64銭、ダウは1万7852ドル48セント。見事に1日だけ日経平均がダウを抜き、そしてこの日が目下のところ日経平均の高値になっている。

これは蓋然性のない、まさにアノマリーだが、一方で「PER(株価収益率)の縛り」には理屈がある。簡単に言えば、世界独り勝ちアメリカ経済のPERを、借金だけが「世界一の人口減少国」日本が抜くのはおかしいということだ。現在のダウの予想PERは16倍(ブルムバーグ)だが、12月8日の日経平均予想PERは16.82倍。大納会時点では15.96倍で、これも見事に収まったのである。

このことから考えると、2015年の相場の柱の一つが、低PER、低PBR(1株純資産)銘柄、いわゆる「割安株の水準訂正」ということになる。高配当利回り銘柄も物色されるだろう。さらにまだまだ他の柱もありそうだ。この辺については、1月4日のコラムで分析してみたい。

平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

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ひらの けんいち

日本証券アナリスト協会検定会員。株一筋約45年。歴史を今に生かすことのできる「貴重なストラテジスト」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演や寄稿記事多数。的確な予想で知られ、個人投資家の間には熱烈な「平野ファン」がいることでも有名。1970年に立花証券入社以来、個人営業、法人営業、株ディーラーを経て、2000年情報企画部長マーケットアナリストとして、投資家や各メディアに対してマーケット情報発信をスタート。2006年執行役員、2012年顧問就任。2014年に個人事務所ケイ・アセット代表。独立後も、丁寧でわかりやすい解説を目指す。

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