「妻にがんが見つかったんだが、診てもらっている病院がいまいち信用できないんだ。どうにかならないだろうか」
30億円程度の金融資産を保有する東証1部上場企業の元役員は、途方に暮れていた。仕事に明け暮れた現役時代の生活を省みて、引退後に夫婦水入らずの悠々自適な生活をスタートさせた矢先に、妻のがんが発見されたのだ。
がんのステージは3。時間的な余裕は少なく、早急な対応が必要だった。にもかかわらず、かかった病院のがん治療の症例数が少ないことに不安を感じたのだ。
そこで、元役員がわらにもすがる気持ちで頼ったのが、ワンハンドレッドパートナーズというファミリーオフィスを手がける百武資薫氏だった。
ファミリーオフィスとは、資産管理・運用から会計や税務、遺産相続、子どもの教育に至るまで人生をサポートするサービス。富裕層に向けては資産の運用・管理だけでなく、こうしたフルサポートのサービスが広がっている。
相談を受けた百武氏は、あらゆる人脈を駆使し、がん治療のエキスパート探しに奔走した。その末にたどり着いたのが、日本人医師としてノーベル賞にも近いとされる人物。がん細胞が分泌する物質が、がんの転移において重要な役割を果たすことに目をつけた検査方法や創薬を研究していた。
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