主力店の看板を下ろし名称を変える居酒屋が急増中。背景には「ブランド寿命」がある。
顧客に浸透している看板名を捨て去って、再成長の道を突き進んでいる外食チェーンがある。居酒屋大手のワタミだ。
ワタミは積極出店と同時に安売り競争を仕掛けたことがあだとなり、2015年3月期に20億円もの営業赤字に転落。16年にはブラック企業批判にさらされ、ブランドの毀損が決定的になった。
これをきっかけに同社は、「ワタミブランド」を捨てる覚悟を決める。主力ブランドの「和民」「坐・和民」を「ミライザカ」ヘ、もう1つの主力ブランド「わたみん家」を「三代目鳥メロ」へ転換していった。
ミライザカは若鶏の空揚げを看板料理に据え、女性を意識した内装・外装に刷新した。一方、鳥メロは、わたみん家で使用していた炭火の焼き台を再利用して、焼き鳥などの鶏料理を中心に展開する。
両業態にはワタミの運営している“痕跡”が、どこにもない。それまでは、どこかにワタミという名が残っていたり、中身はワタミそのものだったりという店が多かった。それを名前どころか、総合居酒屋という「成功体験」まで見切った。
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