脱「勘頼み」の経営、V字回復の仕掛け人 吉野家、ケンタッキー、丸亀製麺、ガスト

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劇的な回復の裏には緻密なマーケティング戦略を駆使するプロがいた。

(Ingka D. Jiw / PIXTA)

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「おいしい商品を作りさえすれば売れる」。そんな時代はとうに過ぎ去った外食業界で、敏腕のマーケティング担当者が業績をV字回復させる事例が相次ぐ。

戦略転換による業績回復の事例としてひときわ目立つのが、牛丼チェーンの「吉野家」だ。客数は減少トレンドが続いていたが、2019年3月から直近の20年1月まで、11カ月連続で既存店の売上高が前年同月を上回っている。

吉野家「ポスターを先に考える」
仕掛け人/吉野家常務 伊東正明

(撮影:尾形文繁)

劇的な回復の裏に1人の仕掛け人がいた。洗剤など日用雑貨を製造・販売するP&G出身の伊東正明常務だ。18年1月に顧問として吉野家に入社。同10月に常務となり、20年2月期(19年3月〜20年2月)に初めて年間を通してマーケティングの指揮を執った。

伊東常務は、「コア&モア戦略」を掲げる。常連客(コア)により高い頻度で来店してもらうように仕掛けつつ、女性客やファミリーなど新しい客層(モア)を獲得していく二面作戦だ。

コアな常連客に来店頻度を上げてもらうため、「牛丼」に限らず、「牛肉」をいかに売るかを考えた。ただ、吉野家には年配の常連客が多く、「年をとったらたくさん食べないだろう」(伊東常務)。そこで、19年3月に並盛の4分の3サイズの「小盛」を投入した。

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