日本マクドナルドホールディングスが快走を続けている。既存店売上高は2020年1月まで、50カ月連続で前年同月比プラス推移。19年12月期業績は、売上高2817億円(前期比3.5%増)、営業利益280億円(同11.9%増)。来期の営業利益は9期ぶりの最高益更新を計画する。
勢いを増すマクドナルドだが、6年前はどん底の状態だった。14年の期限切れの鶏肉使用、15年の異物混入。相次ぐ不祥事により顧客がソッポを向き、業績も赤字に落ち込んだ。
この逆境下、同社のサラ・L・カサノバ社長は店舗数を減らして、既存店の回復に全精力を傾けた。ピーク時には3800店を超えていた店舗数は、現在は約2900店に縮んだ。
どのような狙いでこの戦略を取り、何を再成長の軸にしようとしたのか。カサノバ社長を直撃した。
──既存店好調の要因をどのように分析していますか。
業績回復のために最初に手がけたのは、47都道府県すべてを回って顧客の声をよく聞くこと。主婦を中心にそこで聞いたことは、言い方が違ってもどこの店舗でも同じ内容だった。「マクドナルドらしくあってほしい」。お得感のあるおいしい商品を提供する、楽しい場所であってほしい、と。それに基づき顧客第一のアクション、店舗投資の加速などを柱にした再建策を策定した。
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