「奨学金チャラ」「消費税廃止」「最低賃金1500円への引き上げ」「安い家賃で住める公的住宅の拡充」──。バブル崩壊後に社会に出、生活に苦しむ氷河期世代を狙った政策を掲げるのが、昨年の参議院選挙で躍進したれいわ新選組だ。
米イェール大学の成田悠輔助教授らが参加した「#リアル選挙分析 参院選2019プロジェクト」(5000人を対象にしたオンライン調査。参院選投票日の2019年7月21日実施)によると、「努力が報われる社会であると思えるか」との質問に対し、自民党支持層では「強くあてはまる」との回答率が最も高かった一方、れいわ支持層では「まったくあてはまらない」との回答率が最も高かった。社会への不満が政治に向かい、氷河期世代を中心にれいわ新選組の人気を支えているという構造が見えてくる。
香港のデモと経済問題
経済的に苦しい世代の不満の爆発は、日本だけに限らない(下表)。例えば反政府デモが連日繰り広げられている香港。中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改正案反対が発端とされている。だがデモの背景には「若い世代の経済的な不満がある」と、中国が専門である米ハーバード大学のエズラ・ヴォーゲル名誉教授は指摘する。
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