政府の就職氷河期世代の支援策は今回が初めてではない。2003年の「若者自立・挑戦プラン」に始まり、12年以降もフリーターやニートを企業が正社員として雇用するための、さまざまな支援策が打ち出された。
その1つがハローワークなどを通じて原則3カ月のお試し雇用をする事業主に助成金を支給する「トライアル雇用助成金」(月額4万円)だ。13年度にスタートし、14年度は4万人超が利用したが、17年度は約2.4万人と減少傾向にある。どれだけの助成金が支給されたのかを示す執行額も減少。予算額に対する執行額を示す執行率も30%台〜70%弱と低迷する。
問題点はそれだけではない。日本総合研究所調査部マクロ経済研究センターの下田裕介主任研究員は「対象者の内訳を見ると、氷河期世代の就業困難者として想定される『2年以内に2回以上離職または転職を繰り返している者』『離職している期間が1年超の者』はいずれも全体の1割にも満たない。多くを占めるのが『就労経験のない職業に就くことを希望』。つまり転職支援での利用が多く、就業困難者に支援の手が届かなかった」と指摘する。
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