就職ブランドランキング トップ300--2012年卒生が「就活前半」に選んだ就職したい会社
2010年秋から就職活動を開始した学生(2012年卒生)は、院生などを除けば、ほとんどが08年に大学生となっている。1年生の秋にリーマンショックが起こり、内定取り消しが社会問題となるなど、厳しい現実を目にしたわけだ。求人倍率と内定率は下がり続け、さらに厳選採用という、企業が求める一定レベルの「質」をクリアしていなければ、内定が得られない就職環境。
「自分は、内定が出るレベルに達しているのか」「自己分析は十分か、自己PRは通用するのか」--。本格的に始まる選考を前に、学生の不安は極限まで肥大化している。
そんな状況の中、学生はどんな企業に興味・関心を持ったのだろうか。『週刊東洋経済』では毎年、就職ブランドランキングを発表している。このランキングの特徴は、就職活動を「前半戦」と、「後半戦」に分けたうえで集計している点だ。
今回は、10年11月末までの得票数で集計した前半ランキングだ。
この時期は、就職活動の準備時期に当たる。企業側は、自社理解を深めてもらうため、採用PR活動を中心に学生と接触を図る。一方の学生側は、夏のインターンシップから始まり、ホームページや就職情報サイト、合同企業説明会や個別企業のセミナーを通じて、徐々に志望企業を絞り込む時期だ。その前半戦を終えた就職ブランドランキングを詳しく見ていこう。
総合ランキングトップはJTBグループ 選択肢多い合同採用が魅力
総合第1位は、JTBグループ(前年2位)。グループ企業22社による合同採用というスタイルを取る。「交流文化産業」の理念の下、人との交流をテーマにした事業展開に、魅力を感じる学生は多い。合同採用のため、勤務地や職域で幅広い選択肢を提供しており、女子学生を中心に票が集まった。学生コメントでも、「グローバルな仕事ができる」「地域の活性化に貢献できる」など、希望に沿った企業をグループの中から見いだしていることがわかる。