虚偽記載に赤字子会社の連結外し。背景には苛烈な社内の権力闘争もうかがえる。
特集「「決算書&ファイナンス」 厳選ノウハウ30」の他の記事を読む
木材卸最大手で1部上場のすてきナイスグループが揺れている。子会社ナイスやナイスエストが仙台のスーパー運営会社から買った土地や首都圏のマンションをザナック社に売却。2015年3月期に売上高31億円、売却益4.1億円を計上した。
これらの物件はナイスがいったん買い戻した後、地銀などが購入している。最終的には売り切ったが、15年3月期の物件売却は粉飾のための“決算対策”だった。
すてきナイスは今年8月1日に決算を修正。15年3月期の売上高は2336億円(修正前は2357億円)。純利益は4.5億円の赤字(同4.8億円の黒字)。売上高の規模なら課徴金納付で済みそうだが、赤字を黒字に見せかけたことを、横浜地方検察庁や証券取引等監視委員会は重く見たようだ。
決算修正前の6月16日に横浜地検や監視委員会はすてきナイス本社を強制捜査・調査。同社は同月30日付で第三者委員会を設置した。7月24日に同委員会から報告書を受領すると翌日、平田恒一郎元会長、日暮清元副会長、大野弘元取締役が逮捕された。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら