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リニア2027年開業に暗雲、大井川「水問題」の論点 トンネルめぐりJR東海と静岡県が対立

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工事着手に強硬に反発する静岡県の真意はどこにあるのか。

リニア中央新幹線の車両「L0系」。走行試験は順調に進むが…(撮影:尾形文繁)

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東京と名古屋を40分で結ぶリニア中央新幹線のトンネル建設工事をめぐり、静岡県とJR東海が対立している。しかし県の質問に対して、JR東海が9月に提出した回答書について川勝平太知事は「論点がはっきりした」と一定の評価を下し、解決への手がかりだけは見えてきた。

2027年のリニア開業(品川─名古屋間)を目指し、JR東海は東京、神奈川、山梨、長野、岐阜、愛知というルート上の各都県で建設を進めている。しかし、北端を11キロメートル通過する静岡県では本格着工ができていない。

静岡工区は26年11月の完工を目指し、17年中に工事に着手する予定だった。だが、県が着工に待ったをかけた。「トンネル工事で大井川の水資源が大量に失われ、流域自治体や利水者の理解が得られない」という理由だ。工事の認可権限を有する国は、リニア建設に際して自治体と連携して適切な環境保全措置を講じるよう求めており、県の合意なしに県内のトンネル工事は開始できない。

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