建設が進む九州新幹線・西九州ルート(長崎新幹線)のトンネル掘削中に地下水脈が寸断され周辺河川の流量が減るというトラブルが2018年、長崎県内で起きていたことがわかった。今年7月には、この渇水対策の試掘ボーリング中に、機材の一部が在来線長崎トンネルの上部を貫通し、走行していた特急列車に接触する事故も起きた。それでも22年度の開業予定に変更はない。
とはいえ開業するのは武雄温泉─長崎間のわずか66キロメートルのみ。本州から新幹線を利用して長崎を訪れる観光客は、博多(または新鳥栖)で在来線に乗り換えて武雄温泉まで行き、さらに新幹線に乗り継ぐ必要がある。
2度の乗り換えが面倒なうえ新幹線区間が短く、博多─長崎間の所要時間は1時間22分。同区間を特急1本で移動するのと比べ28分短縮されるだけで、利便性に欠ける。
全線を新幹線規格(フル規格)で開業した鹿児島ルートと違い、西九州ルートは事業費削減のため佐賀県内の新鳥栖─武雄温泉間(約50キロメートル)は在来線のままとなり、在来線と新幹線の両方を走れるフリーゲージトレイン(FGT)の導入で対応するはずだった。だが、開発過程で技術面の欠陥が露呈し、昨年夏に導入を断念。不完全な開業を余儀なくされる結果となった。
国も今のままではまずいと認識し、新鳥栖─武雄温泉間にフル規格線路を新設する方向で動き出した。6000億円超の費用がかかるが、所要時間はFGTよりも大幅に短縮される。運行を担うJR九州の青柳俊彦社長も「最大限の整備効果が得られる」と、フル規格を支持する。
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