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北陸の悲願は空路維持 Part1 空vs.陸 激戦の構図|新幹線「水没」で混乱

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大型台風で北陸新幹線が運休。頼りになったのはエアラインだった。

台風19号が通過した後、「水没」した北陸新幹線の車両群。同路線は線路も冠水し、10月24日まで一部運休(共同通信)

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10月16日、気温が10度近くまで下がり冷え込んだ22時の富山駅には、予約していた新幹線の切符の払い戻しや、迂回経路の相談に来た人々で2時間待ちの行列ができていた。「窓口の営業時間は23時30分までとなっておりますので、本日はお引き取りいただくかもわかりません」。駅の職員から申し訳なさそうにアナウンスされた列後方の人々は、言いようのない徒労感に包まれた──。

10月13日、前日から本州に上陸した台風19号による千曲川の堤防決壊で、北陸新幹線の線路が冠水。信号装置に被害が確認され、長野─上越妙高間が運休した。

東京から富山などを経て金沢まで、12両編成(約900席)で1日約30本を運行する北陸新幹線運休の影響は大きい。台風が接近した11日から5日間、石川県内の宿泊施設で発生した予約キャンセルは9462人。富山観光の目玉であるトロッコ電車も約4000人が予約をキャンセルした。

JR東日本は10月25日の全線再開を目指しているが、長野市内の車両基地が浸水し、北陸新幹線全車両の3分の1に当たる120両が水没。修理には大幅な機器交換を要する可能性があり、最悪の場合は廃車も見込まれる。予備車両の転用やダイヤ調整を行っても、運転本数は通常の8割ほどにとどまる見通しだ。

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