有料会員限定

加入に値する保険がない、かんぽ生命の乏しい商品力 問題は売り方だけにあらず

✎ 1〜 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 最新
拡大
縮小

不適切な営業手法は論外だが、肝心の商品力にも問題がある。

主力の養老保険・終身保険は新契約件数で高いシェアを誇ってきた

特集「かんぽの闇・金融商品の罠」の他の記事を読む

かんぽ生命保険の不祥事が報道されている中で、ほとんど語られていないことがある。そもそも販売されている商品に「加入に値する保険」が見当たらない、ということだ。

早速、商品内容を見ていこう。まず、一生涯の死亡保障がある終身保険「新ながいきくん」だ。35歳男性が基準保険金額1000万円のプランに加入し、60歳まで保険料を払い込む場合、基本契約(特約を除いた部分)の月払い保険料は3万4000円、払込総額は1020万円になる。ちなみにソニー生命保険で同様のプランに加入すると、保険料は2万8910円、払込総額は867万3000円だ。

新ながいきくんは、契約日から1年6カ月経過後に不慮の事故や所定の感染症で死亡した場合、保険金が倍額になる。だが、死因によって遺族に必要なお金の額が変わるとは考えにくい。

保険料払込期間中の解約返戻金の額を抑えることで保険料を安くする、「低解約返戻金」プランも見てみよう。こちらも相対的に保険料が高いが、オリックス生命保険の同タイプの保険と比較しながら目を疑ったのは、解約時の払戻率だ。オリックス生命の場合、60歳の払い込み満了直後で103.8%。一方のかんぽ生命は80歳時でも97.6%なのだ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
かんぽの闇・金融商品の罠
金融商品の罠 ケース3|ロボットアドバイザー
金融商品の罠 ケース2|投資信託
金融商品の罠 ケース1|外貨建て保険
銀行員、証券マン誌上座談会
Part2 金融商品の罠|支払った手数料は550万円
インタビュー/金融庁長官 遠藤俊英
契約書偽造、不告知教唆…
政府保有の株式売り出しに暗雲
目につく割高なコスト
問題は売り方だけにあらず
最上位は「ブルーダイヤモンド」
二重払い、無保険状態“量産"の必然
解約があれば手当返還を請求
ハンコを押す前によく考えよう
口車に乗ってはいけない
「ゆるキャラ」 「ボケ」 「甘い客」、郵便局員はココを見る!
あなたの親も“品定め"されている
「損はさせんから」「名前だけ貸しとくれ」
Part1 かんぽの闇|苦し紛れの口止め工作も
かんぽの闇・金融商品の罠
あなたの親も郵便局員に騙されている!
【プラスオリジナル】
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内