一攫千金を狙う中途組、それに頼る郵便局や支社。顧客の利益はないがしろだ。
今回の不適切募集の中で多いのが、新旧の契約重複による保険料の「二重払い」(7万件)、旧契約と新契約の間に空白ができて無保険期間が生じる「無保険状態」(4.6万件)だ。
契約者にとって何のメリットもない形態の契約数が膨れ上がったのは、郵便局員が募集手当欲しさに「乗り換え契約」を「新規契約」に見せかけようとしたからだ。
かんぽ生命では、客が新たな契約の3カ月前か、6カ月以降に過去の契約を解約していれば、乗り換えではなく新規契約とカウントする。これを郵便局員は「前3・後6」と呼んでいる。
以前は「前1・後6」だったが、1カ月の無保険期間が生じていることをかんぽが問題視。2017年に「前1」を「前3」に変更している。だが、乗り換え契約の扱いを避ける事例が後を絶たず、結局、顧客の無保険状態が1カ月から3カ月に延びただけだった。
すべては手当のため
乗り換えかそれとも新規か。この違いは、契約を積み上げる局員にとって最重要だ。通常の乗り換えは新規の半分の手当しかもらえないからだ。
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