孫社長、意中の後継者はいったい誰なのか? ソフトバンク前社長室長が明かす、その条件

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私もこの会場にいた。ソフトバンクアカデミア1期生、300人が食い入るように孫社長を見つめていた。

世界へとフェーズは変わった

5年が経過した。ソフトバンクアカデミアは、2015年4月入校生を募集。審査が進んでいる。

ソフトバンクアカデミア1期生と話した。

「嶋さん、どんどん後継者のハードルが高くなっているのですよ」

2014年11月、決算説明会で11期連続の最高益を発表する孫社長(写真:梅谷秀司)

おかげさまで株価は上昇し、ソフトバンクの時価総額は約9兆円となっている(2014年11月)。したがって、たった今、後継社長となったとすると、時価総額を2024年までに45兆円にすることがノルマとなる。現在、日本一のトヨタ自動車の約25兆円をはるかに抜く。

今や、日本国内の競争でなく、ターゲットは世界となる。フェーズが変わったのである。

時価総額45兆円というと、世界第2位のマイクロソフト約45兆円に匹敵し、世界第3位のエクソン・モービル約44兆円、世界第4位のグーグルの約43兆円(1ドル=115円で換算、11月現在)を超す。

孫社長の「後継者の条件」は、世界のベスト3企業になることへと「進化」してしまったのである。ちなみに第1位はアップルの約80兆円である。

孫社長の経営方式の真髄は、初めに事業のゴールのイメージを明確にし、そこから引き算をしていく「引き算方式」である。壮大な目標を立てて、そこから逆算していくと言い換えてもよい。

前述したように、「新30年ビジョン」の目標は、2040年、時価総額200兆円である。逆算方式で考えると、孫社長の後継者は、自分の在任期間に少なくとも45兆円ぐらいにしなければ間に合わないことになる。そして、次のリーダーが5倍のノルマを達成すれば、220兆円となり、「新30年ビジョン」の目標も達成できる計算だ。

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