孫社長、意中の後継者はいったい誰なのか? ソフトバンク前社長室長が明かす、その条件
「後継者育成は10年かかる」と孫社長は言った
2005年11月。郵政解散総選挙で議席を失った私は、3期9年を務めた衆議院議員からソフトバンク社長室長に転じた。世界では普通である「政界からビジネス界へ」のトップランナーになりたいというのが私の思いだった。
入社当時、ソフトバンクの売上高は1.1兆円、営業利益はやっと黒字に転じたところだった。それから8年。社長室長を卒業し、ソフトバンク顧問となった2014年3月には、売上高6.7兆円、営業利益は1兆円を超えた。少しはソフトバンクの成長に貢献できたし、「政界からビジネス界へ」というロールモデルを提示できたのではないかと思っている。
その間のソフトバンクの飛躍的な成長の記録は、『孫正義の参謀――ソフトバンク社長室長3000日』に書いたので、ぜひそちらを読んでいただきたいと思う。
ソフトバンクが創業30年を迎えた2010年のことだった。孫社長は、「私の現役時代最後の大ボラ」「30年に1回の大ボラ」として「新30年ビジョン」を発表した。
そこで孫社長は、ソフトバンクの30年後の目標は時価総額200兆円、世界トップ10の会社になることだと宣言したのである。当時の時価総額は3兆円、世界ではなく日本で14位と、まだトップ10にも入っていなかった。まさに大風呂敷の目標である。
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